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全球球精选!05あなたの愛が正しいわ~

来源:哔哩哔哩    时间:2023-04-04 17:17:18

本专栏仅供学习和作为交流资料使用

05 新しい私

夫の求める『理想の妻』になると決めた私は、とても幸せな日々を過ごしていた。

その中でも一番幸せを感じることは、慢性的な寝不足から解放され体調が良くなったこと。そして、思考がクリアになったことだ。


(相关资料图)

「寝不足は本当にいけないわ」

健康的な生活を送ることで、顔色も良くなり、肌にツヤもでてきた。

それだけではなく、服装をもう夫の好みに合わせる必要がないので、部屋の中には私自身の好きが少しずつ増えていくことにも幸せを感じている。

ウォークインクローゼットの中には、自分のためだけに選んだ新しいドレスが五着かかっていた。

お気に入りは、先日のお茶会に着ていった真っ赤なドレスで、「素敵だわ」「とても良く似合っているわ」とたくさんの人に褒めてもらえた。

新しいドレス以外は、すべてデイヴィスが好きそうなデザインだ。

「彼に『こういう服を着てほしい』と言われたわけでもないのに……」

デイヴィスに好かれたい一心で、好きでもないドレスを毎日着ていた自分を思うと、あまりの愚かさに恥ずかしくなってしまう。

私は、お気に入りだった淡いピンク色のドレスを手に取った。このドレスは、結婚当初にプレゼントしてくれたもので、デイヴィスが『似合うよ』と言ってくれたから、それだけでこのドレスは何物にも代えがたい価値があった。

しかし、今となっては、なんの価値も見いだせない。元から淡い色は好きじゃないし、このドレスを見るたびに、うっとうしく愚かだった過去の私を思い出してしまう。それ以前に、三年前のドレスなんて流行おくれで、どこにも着ていくことができない。

そこで私は、ふと、このドレス以外にデイヴィスからドレスを贈ってもらっていないことに気がついた。

「結婚一年目は、デイヴィスと二人で記念日をお祝いして、いろんな贈り物をお互いに贈りあったわね」

だけど、二年目になるとデイヴィスから「祝う記念日を減らそう」と提案された。お祝いするのは、結婚記念日とお互いの誕生日だけになったけど何も不満はなかった。

しかし、三年目になると、私の誕生日にデイヴィスは仕事で遅く帰宅し、プレゼントの準備も忘れていたようで数日後に渡された。結婚記念日のことは、彼は覚えてもいなかった。

「今になって、ようやく気がついたわ。記念日なんてお祝いしない。それが彼の理想の夫婦だったのね……」

三か月後にデイヴィスは誕生日を迎える。いつもなら今の時期から盛大に祝う準備を始めていたが、今年は何もしなくてよさそうだ。

私の友人たちは、「誕生日に、彼が贈ってくれたドレスがいまいちで」などと不満を言っていたが、私は贈ってもらえるだけでうらやましいと思っていた。

「……私はデイヴィスの『理想の妻』ではないけど、デイヴィスも私の『理想の夫』ではなかったのね」

婚約したころから結婚当初までは、確かに優しくて毎日「愛している」と伝えてくれる『理想の夫』だった。しかし、結婚生活に慣れてくると、彼は『妻を愛して大切にしてくれる理想の夫』ではなくなっていった。

そのことに気がつかなかったせいで、だいぶムダな時間を過ごしてしまったような気がする。

私はメイドを呼ぶと、過去の私のドレスをすべて処分するように伝えた。

「どこかに寄付してもいいし、お金に換えてもいいわ。とにかく、私の目につかないところにやってちょうだい」「はい、奥様」

メイドたちは数人がかりで、ドレスを部屋から運び出す。ガランとしたウォークインクローゼット内を見た私は、まるで生まれ変わったように清々しい気分になった。

ふと、クローゼット内の棚に置いてあるアクセサリーボックスが目につく。

その中には、デイヴィスの青い瞳や金髪に合わせたアクセサリーが並んでいた。これまでの私はデイヴィスの色を身にまとうことに幸せを感じていたから素敵に見えていたアクセサリーも、今見れば、どうしてこれをほしいと思ったのかわからないものばかりだった。

「私……青って好きじゃないのよね」

本当の私は青色より赤色のほうが好きだし、ゴールドよりシルバーのほうが肌になじんで上品に見える。

私はもう一度メイドを呼ぶと、アクセサリーボックスごと処分するように命じた。

「宝石商を呼んでちょうだい。新しいアクセサリーを買うわ」「はい、かしこまりました」

一年前にデイヴィスに仕事を任された日から、お茶会に参加する時間を作れなかったし、買い物をする余裕もなかった。だから、伯爵夫人の私にあてられた資金はほとんど手つかずで残ってしまっている。

「伯爵夫人に相応しい姿をすることや、この資金をうまく運用することも私の大切な仕事なのに、本当に私ったら……」

今までの自分を後悔し始めるとキリがないので『これから変わっていけばいいのよ』と自分自身を慰める。

私は大きなため息をつきながら、自室の中で不用品を探し始めた。

この部屋の中には、デイヴィスに夢を見ていたころは宝物だったけど、今となってはゴミになってしまったものがまだたくさんある。

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